正しいチョイ悪

たとえば、人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいたり、正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していたり、正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していたり、生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたり、公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけたり、正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消したり、みだりに船又はいかだを水路に放置し、その他水路の交通を妨げるような行為をしたり、風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかつたり、相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いたり、相当の注意をしないで、銃砲又は火薬類、ボイラーその他の爆発する物を使用し、又はもてあそんだり、相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射したり、人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠つてこれを逃がしたり、公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱したり、公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけたり、官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いたり、虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出たり、質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名、住居、職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせたり、自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかつたり、正当な理由がなくて変死体又は死胎の現場を変えたり、公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出したり、(ひと昔前ならば、牛馬その他の動物を殴打し、酷使し、必要な飲食物を与えないなどの仕方で虐待したり)、こじきをし、又はこじきをさせたり、正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見たり、公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害したり、川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をしたり、街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせたり、公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てたり、他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつたり、他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の予備行為をした場合における共謀者になったり、人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせたり、他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害したり、入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つたり、みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚したり、公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をしたりすると、国内法に基づいた正しいチョイ悪になれる。

正しい悪もの

たとえば、国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をしたり、内乱の予備又は陰謀をしたり、兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前述の罪を幇助したり、外国と通謀して日本国に対し武力を行使させたり、外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損したり、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をしたり、外国が交戦している際に、局外中立に関する命令に違反したり、公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えたり、公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えたり、公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法で無効にしたり、強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担したり、偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すべき行為をしたり、公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合したり、裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したり、裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は2人以上通謀して、逃走したり、法令により拘禁された者を奪取したり、法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をしたり、そのために暴行又は脅迫をしたり、法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走させたり、これらの逃走を未遂したり、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させたり、 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用したり、多衆で集合して暴行又は脅迫をしたり、暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を3回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったり、放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損したり、放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損したり、放火して、それ以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせたり、ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人の生命、身体又は財産に危険を生じさせたり、出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害したり、出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせたり、水害の際に、水防用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、水防を妨害したり、堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をしたり、陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせたり、鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせたり、灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせたり、現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊したり、現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊したり、それによって人を死亡させたり、汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊したり、過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊したり、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかったり、正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けたり、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたり、宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたり、あへん煙を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持したり、あへん煙を吸食する器具を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持したり、税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し、又はこれらの輸入を許したり、あへん煙を吸食したり、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を所持したり、人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにしたり、水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用することができないようにしたり、人の飲料に供する浄水に毒物その他人の健康を害すべき物を混入したり、それによって人を死傷させたり、水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入したり、公衆の飲料に供する浄水の水道を損壊し、又は閉塞したり、行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造したり、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入したり、行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造したり、偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入したり、行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得したり、貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付したり、貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備したり、行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造したり、行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造したり、公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造したり、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造したり、公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせたり、公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせたり、文書若しくは図画を行使し、又は前条第1項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供したり、行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造したり、他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造したり、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造したり、医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたり、人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作ったり、不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、その目的で、人の事務処理の用に供したり、行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造したり、行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をしたり、偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入したり、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作ったり、預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作ったり、不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供したり、不正に作られた第1項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入したり、犯罪行為の用に供する目的で、同項の電磁的記録の情報を取得したり、情を知って、その情報を提供したり、電磁的記録の情報を、前項の目的で保管したり、その目的で、器械又は原料を準備したり、行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造したり、御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用したり、行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造したり、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用したり、行使の目的で、公務所の記号を偽造したり、公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用したり、行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造したり、他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用したり、法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたり、人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をしたり、公然とわいせつな行為をしたり、わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列したり、販売の目的でこれらの物を所持したり、13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をしたり、暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫したり、13歳未満の女子を姦淫したり、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をしたり、女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫したり、これらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させたり、営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させたり、配偶者のある者が重ねて婚姻をしたり、その相手方となって婚姻をしたり、博をしたり、常習として賭博をしたり、賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図ったり、富くじを発売したり、富くじ発売の取次ぎをしたり、富くじを授受したり、神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をしたり、説教、礼拝又は葬式を妨害したり、墳墓を発掘したり、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得したり、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得したり、検視を経ないで変死者を葬ったり、公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したり、裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したり、裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたり、法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたり、それによって人を死傷させたり、公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたり、公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたり、公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたり、不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったり、公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたり、公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたり、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたり、人を殺したり、その予備をしたり、人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺したり、人の身体を傷害したり、身体を傷害し、よって人を死亡させたり、自ら人を傷害しなくても現場において勢いを助けたり、2人以上で暴行を加えて人を傷害したり、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させたり、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させたり、人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させり、赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させたり、2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合したり、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させたり、過失により人を傷害したり、過失により人を死亡させたり、業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させたり、重大な過失により人を死傷させたり、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させたり、妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したり、女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたたり、医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたり、女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させたり老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄したり、老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったり、それによって人を死傷させたり、不法に人を逮捕し、又は監禁したり、それによって人を死傷させたり、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したり、親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したり、生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したり、親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したり、未成年者を略取し、又は誘拐したり、営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐したり、近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐したり、人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたり、所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐したり、人を買い受けたり、未成年者を買い受けたり、営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けたり、人を売り渡したり、所在国外に移送する目的で、人を売買したり、略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送したり、罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させたり、営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿したり、略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたり、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したり、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したり、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害したり、威力を用いて人の業務を妨害したり、人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害したり、他人の財物を窃取したり、他人の不動産を侵奪したり、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取したり、強盗の罪を犯す目的で、その予備をしたり、窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたり、人を昏酔させてその財物を盗取したり、強盗が、人を負傷させたり、強盗が女子を強姦したり、人を欺いて財物を交付させたり、それにより、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたり、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたり、他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたり、未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させたり、人を恐喝して財物を交付させたり、自己の占有する他人の物を横領したり、自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領したり、業務上自己の占有する他人の物を横領したり、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領したり、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けたり、それらを運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをしたり、公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄したり、権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄したり、他人の建造物又は艦船を損壊したり、他人の物を損壊し、又は傷害したり、自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したものを損壊し、又は傷害したり、境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにしたり、他人の信書を隠匿したりすると、国内法に基づき、内乱に関する罪、外患に関する罪、国交に関する罪、公務の執行を妨害する罪、逃走の罪、犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪、騒乱の罪、放火及び失火の罪、出水及び水利に関する罪、往来を妨害する罪、住居を侵す罪、秘密を侵す罪、あへん煙に関する罪、飲料水に関する罪、通貨偽造の罪、文書偽造の罪、有価証券偽造の罪、支払用カード電磁的記録に関する罪、印章偽造の罪、偽証の罪、虚偽告訴の罪、わいせつ、姦淫及び重婚の罪、賭博及び富くじに関する罪、礼拝所及び墳墓に関する罪、汚職の罪、殺人の罪、傷害の罪、過失傷害の罪、堕胎の罪、遺棄の罪、逮捕及び監禁の罪、脅迫の罪、略取、誘拐及び人身売買の罪、名誉に対する罪、信用及び業務に対する罪、窃盗及び強盗の罪、詐欺及び恐喝の罪、横領の罪、盗品等に関する罪、または毀棄及び隠匿の罪に問われ、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料、さらには没収の処分が妥当な正しい悪人になれる。

Chim↑PomのImagine展に行ってきた

 


Chim↑PomのImagine展に行ってきた。字がまちがってる(↑)のはご愛嬌。


会場は清澄白河無人島プロダクションで、「想像力」をテーマに視覚障碍者のハジくんといっしょに発案・制作された作品たちが展示されている。会期はChim↑Pom結成五周年である8月7日から911の十周年である9月11日まで。


展示はまず「コ」の字状にくねったまっくらな通路から始まる。暗闇のなかを手探りで進みながら扉を開けて「見えない」世界から「見える」世界に戻ると、スクリーンに大写しされたにらめっこの映像が目に飛び込んでくる。お互いに顔の見えないハジくんと友人のふたりが向かい合い、おかしな表情の応酬をつづていくうちにどちらともなく笑い声が上がる。ふたりを結びつけ笑いを惹き起こす「見えない」何かを映した映像は、傍観する者にスクリーンの表面を覆う「見える」ものの向こうへと想いを馳せさせる。これはもしかしたら「目を瞑って見る映像作品」なのかもしれないとためしに目を瞑り、「見える」世界から再び「見えない」世界へもぐってみると、その深さに思わず驚かされる。


特別に空間を仕切ったこの映像作品を抜けた先には、"IMAGINE"というタイトルのエロ本に点字を打ってオノヨーコの『グレープフルーツジュース』に改造したものや、カンバスいっぱいにキラキラのデコシールで「KIRAKIRA…」と点字を等間隔に打ったものなどが展示されている。このエロ本/グレープフルーツジュースのように見たものが見たままのものではないこともあれば、キラキラのように見たものが見たままのものであることもある。見えること/見えないことのボーダーを気まぐれに越えたり越えなかったりする作品たちは、見えるもののたしかさを揺さぶりながらも、そのふたしかさが決して共感の断絶ではないことを思わせる。


とはいえ、視覚障碍とアートというキーワードだけで、見に行くまでもなく「不謹慎だ!早く死ね!」と義憤に燃えてみせる道徳的な人もいるだろうし、やはり見に行くまでもなく「ああ、近代芸術の無自覚な視覚芸術化へのアイロニーという美術史的妥当性ね」と分析をご披露してみせる教養的な人もいることだろう。たしかに不謹慎だし、たしかにアート的に妥当だったりもするけれど、そう単純にいかないのがChim↑Pomのおもしろいところ。作品の前でじっくりと想いを巡らせていると、避けようと思えばいくらでも避けられるはずの不謹慎というリスクや(アートであるということも含めた)妥当性というダサさをあえて引き受けているわけが、そのゆたかさとともに少しわかる気がした。


あけすけにいえば、Imagine展はとても繊細で、わりと地味な、じつにアートらしいアートだ。きらびやかにショーアップされたおしゃべりなアート2.0バラエティショーの喧騒に慣れた観衆や、シーンやコンテキストといった世代・時代の流行り廃りの追っかけたちは、この展示を足早に通り過ぎたりそっぽを向いたりするかもしれない。それでもChim↑Pomは、ピカッに続いてますます、何の惑いも遠慮もなくアートらしいアートをやるようになっている。もしかしたらChim↑Pomの作品は、「いま、ここ」というかけがえのないリアリティへの介入を通じたコミュニケーションの場であるとともに、「いま、ここ」を越えて広がっていくリアリティへと記憶を託すモニュメントであることを、よりたしかなものにしつつあるのかもしれない。


見えるものだけを見せつづけるスペクタクルのなかで見えないものへと目を向けるようChim↑Pomが残した作品は、かつて光が世界を覆い尽くそうとするなかで闇に目を向けるよう谷崎潤一郎が残したことばのように、よりいっそうの切実さをもって、いまでもないここでもないどこかへいつか届くのだろうか?


私は、われわれが既に失いつつある陰翳の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。文学という殿堂の檐を深くし、壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい。それも軒並みとは言わない、一軒くらいそういう家があってもよかろう。まあどういう具合になるか、ためしに電燈を消して見ることだ。

(「陰翳礼賛」)

 

【告知】Pigmhall/長細P《チャッピーとやまねこ》会場への行き方


 

上映会記念ステッカー制作中


Pigmhall/長細Pの上映イベントは、秋葉原のアキバスペースにて7月3日(土)18:30-22:30開催。


会場のアキバスペースはJR秋葉原駅から徒歩一分という、近すぎて迷うには十分な近さ。


ということで、会場までの道のりを写真に撮ってきた。



JR秋葉原駅を、昭和通りから下車。
ここがいちばんの関門で、昭和通り口から出られればもう90%到着。
まずは高速道路の下をくぐる横断歩道をわたること。



横断歩道の途中から赤い看板が見えるはず、それが三菱東京UFJ銀行



UFJ銀行のすぐ脇の道を入ると、左手に黄色い自販機とパチンコの旗が見える。
銀行⇒パチンコのフローで捉えると覚えやすい。銀行⇒パチンコ



明らかに建築的なポテンシャルの高い建築があるのがわかるはず、それがアキバスペース。



見上げるとこんなかんじ。



建物のふもとに行くとメイド喫茶の看板がある。
惑わされずに建物右手のエレベーターで2FにGO。

「コン平」第0回に行ってきた

 
 

画像無断使用中


 今、概念がアツい!ということで映像作家・大月荘とChim↑Pomが発足した「コンセプトシートワークショップ コン平」の第0回に行ってきた。



コン平 http://public-image.org/3d/?p=1067


 出演者は主催者の大月荘・Chim↑Pomに、コンセプトガールのまこぷり、ゲストに映像作家の菅原そうたと美術家の会田誠、ライブパフォーマンスに地下アイドルのフルーツ☆パンチを迎え、いあわせた無人島プロダクションと青山|目黒のギャラリストふたりと作家の加藤翼が飛び入り参加するというにぎやかな顔ぶれ。


 オープニングのDJセットはChim↑Pomの林靖高、かつてのラップユニット・DJ COMPLEXではTSUTAYAで借りてきた浜崎あゆみのベスト盤などを再生するスマートなプレイで魅せてくれたが、今回はiPhoneのファイルを再生するだけというさらなる進化を遂げていた。


 そんなまったりすぎるDJを終え、ギャラリストのヨシイヒロミによるメッセージビデオを勝手にSFX風にアレンジした映像で幕をあけ、ホストとゲストたちの考案したコンセプトシートに次々と寸評が加えられていく。いくつか例をあげると


「地球上の核弾頭をすべて太陽に撃ち込む」
「水素原子に(「バカ」と)らくがき」
「すべての↓概念を↑概念にする」


などなど、まじめに考え始めると言葉の尽きないおもしろいコンセプトが出てきたけれど、なかでも詳しく書き残しておきたいと思ったのが会田誠のコンセプトシートのひとつ


「第四回横浜トリエンナーレは俺が仕切る」


 これはその場かぎりのネタではなく、USTREAMを見ているであろう美術関係者に向けて、実際のキュレーション案として「コン平」の場を借りて提案されたもの。アイデアをまとめると以下のとおり、


インドにある「船の墓場」で廃棄寸前のタンカーを安く見繕ってチャーターする
 ↓
アジアやアフリカの各地域に寄航しながらアーチスト(っぽい、よくわかんない人)をどんどん乗せていく
 ↓
船の中でなにか作ってもらいながら世界一周して横浜に停泊
 ↓
横浜トリエンナーレで作品を展示し、再びタンカーで各地に戻っていく


 船だし、港だし、国際だし、横浜トリエンナーレにはばっちりだ。もともと横浜トリエンナーレというのは、国内と国外のインタフェースとしての港街という、新しい時代への想像力を日本に育ませることになった横浜の歴史的役割を意識しての国際展だ。しかし、空路と情報回線を通じて西洋のトレンドとコンテクストを高額で輸入するものに陥っているともよく批判されている。


 たぶん誰がわるいというわけでもないけれど、横浜にかぎらずアートや文化を扱う大型の地域活性プロジェクト全般(いわゆる「クリエイティブ」政策)は、地域リソースの再発見と活性化(欧州型、C・ランドリーの創造都市論モデル)という名目が、エリート・ビッグネームの招待(北米型、R・フロリダの創造階級論モデル)という実態に陥りやすい。


 グローバルな文化政策は、資本・情報・人脈・キャリア・ノウハウ・モビリティといった各種リソースの西/東間または北/南間の偏った配分を、グローバルに悪化させてしまう。その小規模な例を、日本の都市/地方間または都心/郊外間で見ることもできる。


 そこにきてこの「俺が仕切る」案は、そうしたアートの無自覚な政治性へのまじめな(そして、おそらくはまじめすぎて、あからさまに表現するには疎ましがられるだろう)問題意識を、とても単純でわかりやすいスペクタクルのなかにそっと潜みこませる妙案だと思う。


 船の墓場というグローバルなヴァリューチェーンの最下流からゆっくりと逆行しながら横浜に向かってくる船、次々と乗船してくるよくわかんないけどクリティブなやつら、そんな船旅のなかではたしてどんな価値が創造されるのか、考えただけでもおもしろい。


 これを考えるだけで終わらせず、このプランのポテンシャルが十分に理解され、安全や出入国の管理といった運営的な課題を解決し、どう考えてもトラブル続きになるであろうこのプロジェクトを最後までマネジメントできたら、世界中が「日本すげー」だろう。横浜トリエンナーレにはぜひそれくらいすごいことやってほしい。



 第0回はUSTREAMのライブ放送だったけれど、次回からは学生など一般の参加者とともにコンセプトシートを作成するワークショップイベントになる。きたる第一回は7月17日で、池尻大橋の3D PUBLIC/IMAGEにて全10回の開催予定とのこと。



PUBLIC/IMAGE 3D http://public-image.org/3d/?p=1067

 

【告知】《チャッピーとやまねこ》 Pigmhall/長細P 上映会

 
チラシ(名前に誤字あり、すみません)


 映像・音楽・イラスト・ゲームなど、ネットを拠点として多面的な活動を行うクリエイター・Pigmhall/長細Pの映像作品上映会を一日かぎりのカフェスタイルで行います。



Pigmhall Archive(公式サイト): http://pigmhall.sakura.ne.jp/pa/


 日時は2010年の7月3日(土)の18:30-22:30で、この上映会のために準備された約一時間の特別プログラムをプロジェクターで3回上映。場所は秋葉原のシャレたイベント空間・アキバスペースで、JR秋葉原から徒歩一分、収容人数は30名ほどなので混雑時はご容赦ください。入場無料、出入自由。



アキバスペース: http://www.akibaspace.com/access.html


 Pigmhall/長細Pがネット上で自作ゲームやイラストの発表を始めたのは2007年ごろ。その翌年からはYoutubeニコニコ動画に活発に作品を発表しながら静かな衝撃をじわじわと広げてきた。そして、昨年リリースされた初の作品集DVD『かわいい電子ドラッグ』につづき、この6月に待望の第二段DVD『電電少女』がリリースされたばかり。



『かわいい電子ドラッグ』 http://pigmhall.sakura.ne.jp/pa/dvd.html
『電電少女』 http://pigmhall.sakura.ne.jp/pa/dvd2.html


 Pigmhall/長細Pの作品では、らき☆すた初音ミクIdol M@ster、東方などの人気キャラクターたちがたびたび題材とされる。しかし作品がそれらの題材そのもの魅力や話題性に頼り、そこにとどまるようなことは決してない。むしろ、そのひとつひとつが作品として屹立し、そのすべてがかけがえのない魅力に満ち溢れている。


ぐるぐる目の少女たちがくりひろげる不思議な事件の数々、終わらないできごとの不安と快楽、性的なメタファーを突き抜けていく性的なメタファー、分裂し増殖し錯綜するループとカットアップ、そのすべてをひとつのリズムで衝き動かしていくミニマルでサイケな電子ビート、など、その魅力を語れば言葉が尽きない。


 そんなPigmhall/長細Pの映像をでっかい画面で観たら最高だろう、という集まりです。

 
 食べ物もあります。お気軽にどうぞ。



 また、Pigmo名義でのPigmhall/長細Pのイラスト作品を展示した《カオスラウンジ2009》にちなみ、カオスラウンジから藤城嘘×梅ラボのふたりを招いてのトークセッションを併催。18:30-22:30のうち45分ほどを予定、正確な時間帯は追って告知。こちらは30人までの予約制、申し込みはradical-commons@gmail.comTwitterのRdcmnsアカウント宛てDMまで。

 

絵バカ対談レポート

 
去る六月五日、「大塚聰×会田誠 絵バカ対談」が無事開催されました―


 (大塚聰・作品)


というのは超嘘っぱちで、目的地を快く通過する快速列車などの工学的介入により、一時間遅れての無事ではない開催となった。午後1時というとんでもない早朝からお待ちいただいた方々、本当に本当にありがとうございました。


そんなわけで、会場は開始前からいいかんじにぐっだぐだで、役者が揃い次第そのままぐだぐだと対談にもつれこむという実にほがらかな雰囲気。大塚聰の膨大な作品群を初期から順にスライド上映しながらの対談で、背後のスクリーンを体を捻じ曲げて眺めていた画家ふたりは腰と首に大変な負担がかかったことだろうと思います(お疲れさまでした)。



それぞれに独自の道を歩んできた画家ふたりの対話は、倒錯した性や性の倒錯などほがらかな話題を巡りつつも、絵についての真摯な言葉を互いに引き出していった。なかでもひとつ興味深かったのは、大塚の個々の作品にふたりが言葉を重ねるにつれ、絵画における「コンセプト」と「絵画そのもの」というふたつのレイヤーについての議論が深まっていったことだった。


大塚は自作の価値を社会や常識に対する皮肉や反抗といった「コンセプト」的な側面に重きを置いて見る傍ら、会田はむしろそうした意図とは無関係な「絵そのもの」の魅力に大塚の作品の価値を見ていた。そして、会田は大塚の「コンセプト」への傾倒にやや疑念をもっており、「コンセプトは絵を描くきっかけくらいでいいのかもしれない」というところに話題を着地させた。



一般的に整理しておくと、「コンセプト」は概念や意味として読まれることで意識において理解するもの、そして「絵画そのもの」は色彩や描線として見られることで意識の一歩前(もしかしたら一歩後かもしれない)において体験するものといえる。たとえば林檎を描いた絵には、林檎という「コンセプト」と、赤く彩色された領域という「絵そのもの」のふたつのレイヤーがある。そして、絵に接するとき、人はこの「コンセプト」と「絵そのもの」のふたつのレイヤーの双方にどちらともなく属している。

たとえば抽象絵画は、この「絵そのもの」に向かおうとした試みだった。絵だけが表現できるものを表現することが絵の本質であり、じゃあもう「コンセプト」とかいらねーんじゃねーの、というのがその背後にあった考え方だった。そして風景や人物などの「コンセプト」は順当に排除されてゆき、やがて色と線の平面上の構成へと帰着していくことになる。また、その後に現れた概念芸術は、その逆をとって、「コンセプト」を表現するならもう概念だけでいいんじゃねーのという流れだった。いずれも極端の極へと向かおうとする試みだけれど、極端の極がかならずしもよいともかぎぎらない。


 (大塚聰・作品)


たしかに、大塚の作品のおもしろさは、おっさんや動物キャラや中華ロボといった特異な「コンセプト」を扱うことだけではなく、それらを「描かねばならない」という強い使命と確信に支えられた筆捌きがもたらす「絵そのもの」の快楽を過剰なまでに含んでいることにある。やもすればギャグになりかねない主題を一枚の絵として成立させる線と色の危うい快楽、それが大塚の作品の流行り廃りを越えた魅力であり、大塚があくまで画家たるゆえんだ。


たとえば、鎧のディティールで執拗に繰り返されるジグザグは、視線がそこに吸い寄せられるにつれ、鎧という意味(「コンセプト」)を失い、小気味よい反復のリズムにおいて「絵画そのもの」の姿を現す。また、中華ロボ戦隊の作品では、誇張された人体であるロボットの輪郭をなぞりながら所々で衝突し吸収される曲線と、隊員として色分けされた五つの彩りの秩序が、そこに踊る光にドラマを与えている。


そのようにして大塚は、おっさんという「コンセプト」のリアルな皺の描写においてもつれ合う無数の線を、動物キャラという「コンセプト」の頬の膨らみの再現において極端なまでの陰影を筆先に召喚しながら、もともとの「コンセプト」をおきざりにした「絵そのもの」の領域で爆発する色と線の快楽を、キャンパスという枠のなかに永久に捕獲する。そして、こうした絵画の快楽をドライブさせるに実に適した対象を選ぶ大塚の勘には、画家としての鋭い感覚を伺うことができる。


それこそが、かつて会田が1997年の《こたつ派》において世に問おうとした大塚聰という画家の稀有な魅力であり、また、独学の画家である大塚がアート界との接触を重ねるなかでもしかしたら失いつつあるかもしれないものとして、「コンセプト」と「絵そのもの」という話題のひきがねを引いた懸念でもあった。そしてそれは、画家ふたりがおたがいについて語ることで、それぞれが自問していたものでもあった。



批評の暗躍か、市場の圧力か、はたまた教育の弊害か、「コンセプト」的なものの蔓延は、それが洗練され強固な思考につながるよりも、むしろ求愛的・哀願的なモノマネや反射的・反動的なネタふりの身振りを作家に強いてしまうことがないともいえない。


そんななか、この対談のなかでふたりの画家が自問しつつ語り合った「コンセプト」と「絵そのもの」をめぐる問いは、必ずしも絵画やこのふたりの画家だけに関わるものではない、広く深い射程を捉えていたかもしれない。



大塚聰の初個展《山水大戰》《日常の捏造》は6/13日まで開催されています。


古くからある写真館を改造して作られた経堂のギャラリー・アンティークスタジオみのるは、一階をギャラリー、二階をカフェとして営業している。しかし、今回の《山水大戰》《日常の捏造》をもって一階の展示空間の運営をやめ、仕込みの効いたカレーの味に定評のある二階のカフェのみの営業となるとのこと。


ホワイトキューブというには少し入り組んだ、洞窟のように長細い、独特のあたたかみのある白い室内は、「絵を見る」という素朴で繊細なできごとのポテンシャルを活かすことのできる貴重な空間だった。画家として出発してから十数年を経て初めて開かれた大塚の個展が、この空間の最期を看取ることになる。